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BI Intelligenceによれば、モバイル広告分野において、アプリ内広告は最も急速に成長している広告形態で、その主な理由はブランド広告主が多様化するオーディエンスへリーチするためにこのチャンネルを活用し始めているからです。自社アプリのトラフィックをこうしたブランドやエージェンシーへ販売することは、収益化戦略を継続的に最適化する上で素晴らしい手段ですが、適切なブランドとエージェンシーと繋がることも非常に重要です。

それでは、ironSource Exchangeチームが紹介するアプリ収益化におけるブランド広告の収益を増加させるための5つの重要なヒントを見てみましょう。

1.プログラマティック広告と重要用語を理解する

一般的に、ブランドとエージェンシーはプログラマティック広告と呼ばれるプロセスを通じてインベントリーを買い付けてキャンペーンを配信します。このプロセスは、リアルタイムビディング(RTB)を通じてディスプレイ広告と動画広告が売買される自動化されたオークションです。RTBはインプレッション単位でリアルタイムに広告をオークションするプロセスです。

サプライチェーンの概要と、このプロセスをより良く理解するために知っておくべきいくつかの重要な用語をご紹介します。

まず、一番左に広告主がいます。一部のブランドとゲーム広告主は、広告キャンペーンのプランニングと運用をエージェンシー(代理店)に依頼します。最近では、社内にプログラマティックバイイングチームを組織し、エージェンシーをバイパスしたり、クリエイティブ制作のみエージェンシーを利用してDSPから直接買い付ける広告主も増えてきています。

サプライチェーンの次の段階にあるのはDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)です。これはエージェンシーとブランドが広告サプライの買付をするために使用するプログラマティックプラットフォームです。DSPには、広告主のキャンペーンの要件を満たしながら入札単価や入札をすべきタイミングを決定する高度なアルゴリズムが搭載されています。広告主がDSPでインベントリーを購入できる「ルート」には以下の2つがあります:

  • オープンマーケット:このルートでは、広告主が具体的な広告サプライの購入先を指定せず、DSPにキャンペーンをアップロードします。DSPは、キャンペーンの目標を達成できれば、接続されているあらゆる広告在庫でスペンドすることができます。
  • PMP(プライベート・マーケットプレイス):ディールとも呼ばれているPMPは、アプリ開発者と広告主との間における合意に基づき、広告主が広告サプライに対して特定の金額をスペンドします。たとえば、PMPの一種であるPG取引(プログラマティック保証)では、開発者と広告主が特定期間内のインプレッション数について取り決めを交わし、開発者が予め定められた内容を提供する義務が生じます。

DSPの次に来るのはSSPまたはサプライ・サイド・プラットフォームで、これがデジタルインベントリーを集約しています。かつてSSPはDSPと連携するための「ゲートキーパー」としての役割を担っていました。現在、アプリ内広告におけるSSPの重要性は低下していますが、それでもデスクトップとCTVのサプライでは大きな役割を果たしています。

サプライチェーンの最後に来るのはサプライそのもまたはironSource Exchangeなどのマーケットプレイスで、これがDSPや社内プログラマティックチームとアプリやゲームなどのダイレクトサプライの大きなプールとを繋げます。

ご覧のとおり、広告主からダイレクトサプライまでのサプライチェーンは非常に長いプロセスです。したがって、ブランドは効率性を改善するために、しばしばサプライパス最適化(SPO)を通じてアプリの広告サプライにより速く到達できる経路を求めます。SPOとは、重要でない特定のノードを回避することによって、バイイングチェーンを短縮したりマージンを減らしたりすることを目指す業界全体での取り組みのことです。いくつかのケースでは、エージェンシーはもちろんDSPすら回避され、マージンが減少し、広告主のバイイングパワーが向上しています。

プログラマティックバイイングチェーンをより良く理解することに加えて、ブランド広告主に大して、自社の広告在庫の安全性を認識してもらうためのベストプラクティスをいくつかご紹介します。

2.ブランドセーフティーを保障する

ブランドがアプリ内広告に大きな潜在的価値を見出し、確信し始めたのは、ごく最近のことです。この適応を遅らせているのが、アドフラウドの存在です。この不安を払拭し、自社アプリの広告在庫にブランドのスペンドをもたらうには、以下の不正対策を施すのが必須です

  • App-ads.txtファイル:これはアプリ開発者が自社ウェブサイトへ追加する、自社アプリ広告在庫の販売が認められている承認アドソースの一覧です。スプーフィングなどの不正を防止するために、多くのブランドとDSPはads.txtが実装されていない広告在庫は買付ないので、このファイルを必ず実装するようにしましょう。app-ads.txtの詳細をご覧ください。
  • IAB Open Measurement SDK: IABのOpen Measurement SDKは、ironSource SDKに組み込まれており、広告在庫の質や、広告ビューアビリティ、そして不正検知など、透明性の高い情報を広告主に提供します。App-ads.txtと同様に、多くの広告主はOMがない在庫へのキャンペーン配信を避ける傾向にあり、ブランド広告収益の向上を得るには、連携しているSDKにOMが実装されていることが極めて重要です。
  • Sellers.json:App-ads.txtとは反対に、(ironSource Exchangeなどの)販売者は、自社の広告在庫を販売することを承認されているすべてのソースをsellers.jsonを使用してリスト化しています。DSPは、各当事者がトラフィックの販売を承認されていることを確認するために、ads.txtとsellers.jsonを二重に参照します。ですから、自社アプリが正しいSeller IDでironSource Exchangeのsellers.jsonファイルに掲載されていることをこちらから確認しておきましょう。
3.バナー広告とMREC広告を実装する

ブランド広告主がアプリ内広告へのキャンペーンで配信できる広告ユニットは(インタースティシャル動画や動画リワード、そしてプレイアブルなど)数多くあり、インタラクティブなフォーマットがますます一般的になっていますが、依然として多くのブランドがバナー広告MREC広告を中心に配信し続けています。ブランド広告主からできる限り多くの収益をあげられるようにするために、アプリフローの全体における複数のポイントにバナー広告とMREC広告を配置するようにしましょう。バナー広告とMREC広告の実装に関する4つのヒントをこちらからご覧ください。

4.広告主にビューアビリティを確約する

ブランド広告主の信頼とロイヤリティを勝ち取るには、ブランド認知キャンペーンの配信において重要なビューアビリティを確実にすることが重要です。大多数のブランド広告主はパフォーマンスCPIキャンペーンを配信せず、CPMに注力しています。つまり、ブランド広告主にとって、インプレッションやクリエイティブにおける実際の視認性が重要なのです。

したがって、自社の広告在庫が最新のビューアビリティ基準に準拠しているだけでなく、それを上回る必要があります。現在、IABのビューアビリティに関するガイドラインでは、動画広告の50%が2秒以上の間視聴されれば、その広告は見られたとみなされます。例えば、バナー広告とMREC広告をどのように配置するかを注意深く検討する必要があるということです。

5.KPIをモニタリングする

自動化されたマーケティング戦略であるプログラマティック広告は、非常にデータドリブンです。つまり、ブランドデマンドと収益性を向上させるには、関する粒度が細かく、高度なレポートでKPIをモニタリングする必要があります。以下の指標が、常に把握しておくべき最も重要なKPIです:

  • 収益:収益の予測値
  • インプレッション:ユーザーに広告が表示された総数
  • eCPM:1000インプレッションあたりの収益
  • オークション:ビッドリクエストへと繋がる、マーケットプレイスにおけるオークション件数
  • Wins:少なくとも1つのDSPが最低価格を上回ったオークション件数
  • クリック:クリック数
  • CTR:クリックスルーレート
  • ビッドリクエスト:ビディング広告ソースがビッドのオファーをリクエストされた総数
  • レンダーレート:インプレッション数/ビッドリクエスト

こういったデータを念頭に置き、広告ユニットが個別の条件下でどのようなパフォーマンスをあげているかをよりきめ細かく理解するには、ビッダーや広告ユニット、またはSDKバージョンなどの適切な側面を加味してモニタリングすることも重要です。ironSourceのリアルタイムピボットレポートを利用すればこのようなモニタリングも容易に行えます。

例えば、日本やオーストラリアから広告リクエストが無い場合は、ウォーターフォールでビッダーが適切に設定されていることを確認しましょう。または、ブランドDSPからのスペンドがある場合は、app-ads.txtとsellers.jsonが適切に実装されていることを確認しましょう。

KPIをモニタリングする際はブランド広告主とゲーム広告主の広告費が上昇する季節要因が異なることも考慮しましょう。各四半期の終わりにはスペンドが増加するので、各四半期ごとに収益は増加していくはずです。自社アプリにおけるブランドデマンドが上記トレンドに沿っていることを確認するために、収益をモニタリングしましょう。

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