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2021年における3つのモバイル業界トレンド

編集者注:この記事は、ironSourceのSVP of RevenueであるAmir ShakedがLevelUp 2021のバーチャルカンファレンスで行った限定プレゼンテーションに基づいています。LevelUp 2021の動画は以下からご覧ください。

今年は既にモバイル業界にとって、iOS14におけるプライバシー関連のアップデートや、コロナ禍による自粛傾向、そして5Gの隆興など、多くの面で節目となる年になっています。モバイル業界の情勢は変化しつつありますが、2021年はこの業界の将来を決めるような確かなトレンドが姿を現しつつあります。

開発者にとって、業界のトレンドを認識することで、ユーザーに効果的にリーチし、ビジネスの将来的な成功のための準備をする助けになります。ここでは2021年に注目すべきモバイル業界における3つトレンドと意識するべき重要点をご紹介します。

1.COVID-19以降の世界ではユーザーの行動が変化している

コロナ禍以前は、モバイルアプリが生み出す広告収益の週末と平日とのギャップは大きく、ironSourceのメディエーションソリューション利用のパブリッシャーは週末の方が15%多く利益をあげていました。週末の方がスマートフォンでゲームをプレーできる時間が多いので、これは納得できます。ですが、パンデミック以降、ユーザーが屋内でモバイル端末を使用する時間が増えたために、このギャップが著しく減少しました。2020年3月のUSでは、週末と平日の収益差は僅か5%でした。

以降、この広告収益におけるギャップは10%で安定してきましたが、平日における収益は成長を続けています。以下のグラフからも分かるように、USにおける平日の収益は2020年の第1四半期から2020年の第2四半期までに7%増加しています。

世界中の多くの国々はコロナ禍の最悪の状況を脱したように見えますが、ユーザーの行動パターンはパンデミック以前には戻っていないようです。例えば、高いワクチン接種率によって他の多くの国々よりも早く日常を取り戻したイスラエルでも、3月以降週末と平日の広告収益のギャップが減少しており、このギャップは同国が日常を取り戻しても小さいままです。ロックダウンを抜けた他の国々でも同じようなユーザー行動が観察されています。

コロナ禍が収束した国々の早期データからは、ユーザーが依然として未だかつてないほど平日にアプリに時間を費やしていることがうかがえます。これにはいくつかの理由が考えられます。例えば、自宅から仕事をする人々や、パンデミック以降により頻繁にアプリを使うようになった新たなオーディエンス(より高齢の人々など)の増加などです。

コロナ禍がモバイル産業に与えた最も大きなインパクトは既に去っています。そして、更に劇的な変化は発生しないと予想されています。週末と平日における収益のギャップを減少させたユーザーの振る舞いの変化はモバイル業界の移り変わりを示しており、このトレンドは定着するでしょう。

2.Androidへのフォーカス

iOS14におけるプライバシー関連のアップデートが多くの課題をもたらしてからというもの、Androidにおける開発者のゲームグロースに費やす時間やリソースが増加しています。4つの領域において、このトレンドが顕れています。

広告収益におけるAndroidのシェアが成長

まずは、USにおけるAndroidにおける収益のシェア・オブ・ボイスが2021年4月から増加し続けてきたという事実です。eCPMも増加しており、US・AndroidにおけるeCPMは初めてiOSを上回りました。Androidにおける潜在的な収益性が高まる中、更に多くの開発者がAndroidにフォーカスすることが予想されています。

広告主もより多くのタイトルをAndroidでローンチ

ironSourceネットワークでは、ユーザー獲得キャンペーンを実施しているタイトルの数は今やiOSよりもAndroidの方が多くなっています。これは開発者が未だかつてないほどAndroidに注目しているということを示しています。この傾向は、すべてのゲームジャンルに当てはまり、例えば2021年1月以降のAndroidでは、スポーツとレースのタイトルが47%増加しています。

US・Androidにおけるハイパーカジュアルのタイトルも9%増加しており、これは開発者がAndroidでより多くのマーケタビリティテストを実施していることを示しています。これは大きな業界の移り変わりです。かつては、iOSがゲーム内データとLTVが高い傾向にあったので、ハイパーカジュアルゲームは一般的にまずiOSでテストされていました。ですが、現在より多くの開発者がAndroidでテストを行っています。なぜなら、キャンペーンのパフォーマンスで高い透明性を得ることができ、スケールにおいてポジティブな結果が出ているからです。

AndroidにおけるCPIの増加

より多くの開発者がAndroidでタイトルをローンチするにつれ、競争が激化し、広告主がより高く入札することでCPIが増加しています。事実、US・AndroidにおけるCPIは1月から3月の間に40%増加しました。

AndroidにおけるCPIは程度の差こそあれすべてのゲームジャンルで増加しており、広告主がAndroidにおけるスケールのポテンシャルを認識しつつあることを示しています。その結果として、広告主はより多くのキャンペーンをローンチし、より高い入札をする傾向にあります。

  • スポーツゲームとレースゲームではCPIが295%増加
  • カジノゲームでは128%増加
  • ハイパーカジュアルゲームとカジュアルゲームの両方で47%増加
  • ミッドコアゲームではCPIが40%増加

広告主はAndroidにおける最適化に集中

Androidにおける収益性とCPIが増加する中で、開発者はスケールと収益の最大化のためのキャンペーン最適化による成果を目の当たりにしています。

このトレンドの証拠は、ROAS目標にあわせてキャンペーンを自動最適化するironSourceのROASオプティマイザーツールを使用したキャンペーンがAndroidで増加しているという事実に見て取ることができます。2020年9月以降、Androidにおけるオプティマイザーキャンペーン数は、以下のグラフに示されているとおり、安定的に増加しています。

 

eCPMと、CPI、そして収益のすべてが増加している現在、開発者がAndroidに注力すべきなのは明白です。できるだけ早めにこのトレンドへ適応できるよう、Androidでテストを開始し、単価やキャンペーンの最適化をしていきましょう。

3.非ゲーム系アプリがゲーム系アプリのユーザー獲得の大きな機会に

従来、非ゲーム系アプリはアプリ内課金やディスプレイ型広告で収益化するのが一般的であり、動画リワードや動画インタースティシャルなどの広告ユニットが利用されるケースは極めて稀でした。しかし、最近では動画広告をベースにした収益化戦略を用いている非ゲーム系アプリが増加しています。

非ゲーム系アプリにおいてSDKネットワークを利用したマネタイズが増えてきていることは、ゲーム系広告主にとって非常に大きな機会となります。なぜなら、非ゲーム系アプリのサプライがゲーム系にとって質の高いユーザーを供給できるためです。2021年のironSourceのネットワークでは、非ゲーム系アプリからゲーム系アプリへ流入したユーザーは、他のゲームから流入したユーザーよりもD7ARPUが高い傾向にあります。例えば、シューターゲームは、ゲームアプリから流入してきたユーザーと比較して、非ゲーム系アプリにおけるユーザー獲得キャンペーンからはARPUが108%も高い傾向にあります。

また、配信面の拡大という点で、質の高さだけでなくスケールももたらします。しばしば、広告主は、ハイパーカジュアルゲームのアプリへハイパーカジュアルの広告を配信したいように、同じジャンルのゲームへ広告配信するために、SDKネットワーク上で競争することになります。この競争が激化すると、閉鎖的な環境が創出され、ユーザーへの訴求が次第に困難になってきます。例えば、パズルゲームにおけるユーザートラフィックの60%以上は他のパズルゲームに由来しています。ですが、非ゲーム系アプリでは、広告の60%がパズルや、シミュレーション、そしてカジノといった複数のジャンルにまたがったゲームアプリのものなので、自社アプリのジャンルを超えたユーザーへリーチする大きな機会となります。

非ゲーム系アプリにおいて広告主により入札競争が激化するにつれ、CPIも増加します。入札競争とCPIが高騰する前の今こそ、ユーザー獲得を非ゲーム分野に拡大し、爆発的な成長と質の高いユーザーを獲得しておくべきです。

トレンドを読み取る

時代は間違いなく変化しており、こういった姿を現しつつある3つのトレンドは業界を変えているだけでなく、未来を決定づけようとしています。広告主と開発者は平日における収益増加の活用や、テストにおける主軸のAndroidへの転換とスケールおよび最適化、そしてユーザー獲得における非ゲーム系への拡大などによって、それぞれの戦略を適応させています。

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