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コホートレポートの分析:仕組みから活用方法まで
コホートレポートとは?

今日の市場では、ゲームを収益性の高いビジネスへと転換させるにはアナリティクスが不可欠です。アナリティクスを利用すれば、新しい広告ユニットの導入からKPIの改善やゲーム全体の運営状況まで様々な変化をトラッキングすることができます。つまり、不確実性を低減し、スマートな判断とパフォーマンス最適化が可能になります。

ゲーム運営の健全性を全体的に理解し、リテンション率とLTVという最も重要な2つのデータを計測するには、コホートレポートが鍵となります。コホートとは、特定の1日にアクションを行ったユーザーグループの事です。こういった特定の1日とは、例えば、あるユーザーグループがゲームをインストールした日などです。コホートレポートはリテンションとLTVに関するデータを分析する事によって、ユーザーのコホートの動向に関するインサイトを提供します。

コホートレポートが重要な理由

コホートレポートはゲームのパフォーマンスの真の姿を明らかにするための極めて重要なツールです。コホートレポートはユーザーグループがインストールをした日時をベースにしているため、ユーザー獲得または収益化施策において実施した改修や変更などがユーザーのLTVとリテンションに与えたインパクトを示す事ができます。

表面上のデータでは良く見えていても…

コホートレポートは、ユーザーアクティビティとパフォーマンスレポートなどで提供している表面的なデータよりも一層深い分析を可能にします。例えば、これらの2つのレポートにおいて特定の期間においてARPDAUとDAUが向上し、表面上は収益化とユーザー獲得の目標が達成されたかのように思えるかもしれません。ですが、ARPDAUとDAUが増加していたとしても、同じ期間におけるコホートレポートを分析をしてみると、ユーザーのリテンションとLTVが減少している可能性があります。

なぜこうしたことが起こるのでしょうか?例えば、マネタイズ側で新たなインタースティシャルの広告枠を増設し、ユーザー獲得側で予算を増大したとします。しかし、獲得ユーザーの質が悪く、さらに増設した広告枠がユーザー体験を阻害してしまっていたら、結果としてはARPDAUとDAUが向上したにもかかわらず、リテンション率とユーザーのLTVの減少が引き起こされてしまい、健全なグロース戦略とはかけ離れてしまいます。

...表面上のデータで悪く見えていても…

反対に、ユーザーアクティビティやパフォーマンスレポートにてARPDAUやDAUの低下が見られた場合、インタースティシャルの広告表示頻度を上げるような改修を検討したとします。しかし、同一期間におけるコホートレポートにおいてリテンションやLTVが着実に伸びている場合は、あえて広告表示頻度等を変更する必要はなく、変更すれば返って悪影響が出る可能性さえあるでしょう。

定期的にコホートレポートを分析することで、コンテンツの収益化方法を最適化し、長期的にみて収益性の高いゲームを作り上げていくことができるでしょう。それでは、コホートレポートを分析する方法と、分析をすべきタイミングについて見てみましょう。

コホートレポートの分析の仕方

細かい内容を理解しましょう

コホートレポートは異なるユーザーグループが生み出すリテンション率と利益をトラッキングします。一番左にある列のそれぞれの行が異なるグループを表しており、一番上の行にはそれぞれのユーザーグループがゲームをインストールしてから経過した日数が表示されています。

全てのコホートでは0日目のリテンション率は100%になっていて、日数が経過するに従ってこの数字が低下していきます。セルの色の違いによってリテンション率または利益を視覚的に把握して、異常な値を簡単にみつける事ができます。例えば、4月29日のコホートの3日目のリテンション率が、他のコホートのものよりも遥かに高い事が、より暗めの青い色によって簡単に認識できます。この違いが発生した理由は収益化戦略に加えた変更かもしれません。例えば、より難しいレベルを乗り切れる新しい動画リワードの広告枠を追加したことなどが考えられます。

この例では14日間のデータが表示されていますが、対象期間を変更することもできます。現在の収益化戦略やゲームデザインの有効性に関するインサイトを得るためには、直近のコホートデータと数ヶ月前のものを比較してみると良いでしょう。対象期間のカスタマイズに加え、利用しているメディエーションまたはアナリティクスのプラットフォームに応じて、国を選択したり、複数のゲームがある場合はポートフォリオから特定のゲームを選択したりできます。

収益についても同じことが当てはまります。下の表から分かるように、このゲームのユーザーはプレー期間が長ければ長いほど多くの利益を生み出しています。

コホートレポートを分析するタイミング

毎日

コホートレポートは毎日分析する事をおすすめします。まず、ユーザーアクティビティやパフォーマンスレポートにて表面的なデータ指標を確認し、コホートレポートでリテンションとLTVに対する収益化戦略とユーザー獲得戦略のインパクトを把握しましょう。毎日チェックする事によって、最新の情報に基づいて素早く戦略を調整し、ユーザーの価値を最大化することができます。

グロース戦略に変更を加えた後

毎日チェックする事に加えて、グロース戦略に変更を加えた直後にコホートレポートを分析する事も重要です。例えば、マネタイズ側に関して言えば、ウォーターフォールからアドネットワークを入れ替えたり、ゲームに新しい広告ユニットを追加した場合などが当てはまります。

ユーザーアクティビティとパフォーマンスレポートにおいては、eCPMや、フィルレート、広告エンゲージメント率、そして収益などのデータが示されますが、リテンションとLTVへのインパクトはコホートレポートを通じてしか得られません。

また、ユーザー獲得についても同じことが当てはまります。出稿単価を増大した結果としてインストール数がスケールした場合、リテンションとLTVに与えたインパクトをチェックする事が非常に重要です。ユーザー獲得のための予算を増やせばDAUが増加するかもしれませんが、獲得したのが質の低いユーザーだった場合、リテンション率とLTVが低下してしまうので、この問題を早期に特定する事が重要になります。さもなければ、予算が無駄になってしまうリスクがあります。

アプリに変更を加えた後

新たなバージョンへのアップデートなど、アプリに変更を加えた後もコホートレポートを用いて詳細な分析をすべきです。アップデートによって短期的にはARPDAUが低下する可能性がありますが、バグを修正してユーザー体験が改善した事によってユーザーのリテンションとLTVが増加するかもしれません。

コホートレポートを分析すれば、こうした変更について文脈化し、ゲームのビジネスパフォーマンスに対するインパクトを全体的に理解する事ができます。

今日、最も成功を収めているゲーデベロッパーは、ゲームデザインやグロース戦略を絶え間なく最適化しています。コホートレポートはそのための手段です。コホートレポートは他のKPIの潜在的なデータを可視化し、加えた変更のインパクトを数値化するので、誤解を招く可能性がある表層的なデータに惑わされる事がなくなります。コホートレポートを利用すれば、リテンションとLTVという長期的に成功を収める上で最も重要なデータを常にしっかりと把握できるようになるでしょう。

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